【債務整理】利息制限法に従えば借金が減る

筆者:吉田哲也

Q. 4、5年くらい前、サラ金二社から50万円ずつ借入れ、現在、2社100万円になっています。ひと月あたりの返済額は5万円です。私の収入は、パートでひと月8万円で、夫にも借金があり、子供を二人抱えて、このまま返済を続けるのは無理です。どうしたらいいのでしょうか?


A. あなたは、負債額は100万円だと思い込んでいるようですが、それは本当の負債額ではありません。というのは、「利息制限法」(利息の上限を定める法律)を守っている業者は、ほとんどないからです。

「利息制限法」によると、受け取っていい利息の上限は、「年利18%」(元本が10万以上100万円未満の場合)です。

あなたが借りているサラ金は、いずれも29%の利息を取っているようですね。これは、「年利18%」を超えているので、いずれも利息を払い過ぎていま す。「年利18%」を超える利息の部分は、「利息」として受け取ることはできないので、残元金への返済として受け取ったことになります。毎回の返済につい てこうした計算をすると、あなたが業者に対して本当に返済しないといけない金額は、大幅に減ることになります。


Q. でも、私は、年利29%の利息を払うという約束をしています。約束をしたからには守らなくてはならないと思うのですが?


A. こうした約束は、利息制限法に反しているので、無効です。無効な約束は守らなくていいわけです。むしろ、社会との約束である利息制限法を守ろうとしない業者に最大の問題があるというべきです。


Q. よく分かりました。ところで、私の負債額は、結局いくらになるのでしょうか?


A. これは、実際に計算をしてみないと分かりません。そして、計算するためには、手元にある契約書、領収証などを元にそれまでの取引を再現する必要があります。あなたの手元にはそうした資料がありますか?


Q. いいえ、すぐ捨てるようにしていましたので、全く残っていません。


A. ほとんどの債務者は、あなたと同じですね。仕方ないので、取引の明細書は、業者から送ってもらわないといけません。送って もらった明細書を基に計算をやり直して、あらためて残った金額について、業者と交渉して、ひと月あたりの返済額を低くしてもらったらいいと思います。3年 くらいの分割払いの提案をし、和解することが多いようです。