【交通事故】自賠責より高い喪失率が認めらる場合

筆者:菊田大介

 訴訟において、逸失利益の労働能力喪失率は、自賠責の認定に従って決定されることが原則です。例えば、後遺障害12級であれば、労働能力喪失率は14パーセントとされます。
 しかし、例外も存在します。東京地裁平成16年11月17日判例では、症状固定時51歳のホテル勤務の男性和食調理師について、自賠責では、右足関節障害等で12級とされましたが、しゃがめない、自由に足底をつけて歩けない、立って行う板前の仕事に相当な影響がある等として、20パーセントの喪失率を前提に逸失利益を算定しました。
 このように、職業の内容を具体的に証明することにより、裁判所で、より高率の労働能力喪失率が認められることがあるのです。