筆者:吉田哲也
債務整理をしていると、どうしようもなく経済的に苦しい方がたくさんいます。ギャンブルしたわけではない。無駄遣いもしていない。でも、借金が 増えていく・・・。仮に借金がなくなったとしても家計が赤字という場合、収入が不足していることが唯一の問題です。であれば、収入を増やすしかありませ ん。しかし、働いて収入を増やすにも限度があります。普通に朝から晩まで働いて、さらに夜もアルバイトしてという生活は、長続きしませんし、体を壊してし まうのがオチです。
すると、残る手段は生活保護。生活保護は確かに行政の「厳しい目」にさらされます。しかし、生活保護を受けることは、「健康 で文化的な最低限度の生活」を営むことができるという憲法上の権利そのものです。したがって、あなたが最低限の生活費さえ賄えないのであれば、生活保護を 受ける権利があります。そして、そのようなあなたに「最低限度の生活」を保障するのは、国、行政の義務なのです。ですから、ひるまず申請しましょう。生活 保護の受付けの段階では、そもそも生活保護の申請をさせないという「水際作戦」が展開されていると言われています。これによって、生活保護を受けられるべ き多くの人が受けられていないという現実があります。 逆に、「申請」さえしてしまえば、あとは行政があなたが生活保護を受給することができるかを正式に 決定します。仮に、「不支給」の決定をする場合には、さらに不服申立てをすることもできます。こうしたことをするためには、とにかく、まず、「申請」をす ることから始めなければなりません。
借金の原因が収入不足にあり、生活保護を受ける以外に方法がない場合には、生活保護を受けないことには、借 金の原因を除去したことにはならず、再び借金をしなければなりません。したがって、この人の場合、債務整理をするにあたっては、生活保護を受けることがど うしても必要なのです。